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武藤 今夏マインツ移籍決定的!クラブ間基本合意 即戦力の評価

[ 2015年5月12日 05:30 ]

クラブ間で大筋合意しマインツ移籍が決定的となったFC東京FW武藤

 FC東京の日本代表FW武藤嘉紀(22)に関し、今夏の移籍先最有力候補に挙がっていたドイツ1部マインツとFC東京が、クラブ間で大筋合意に達したことが11日までに分かった。武藤もマインツとの交渉で条件提示を受けており、最終決断を残すのみ。18年W杯ロシア大会を見据 えて試合に出場できるクラブを最優先にドイツでのプレーを希望しているだけに「マインツ武藤」誕生は秒読みとなった。

 武藤の新天地がマインツに落ち着きそうだ。マインツ関係者の話を総合すると、昨季ブレークした武藤に早くから注目していたマインツは先日、幹部を日本に派遣。武藤との交渉で来季即戦力の評価を与えた。年俸はプロ2年目の今季の3倍ともみられる額を提示したもよう。FC東京に対しても移籍金として推定300万ユーロ(約4億200万円)を用意。この日までに「両クラブ間で合意した」という。

 日本代表に定着した武藤には、これまでにチェルシーをはじめザルツブルク(オーストリア)など多くの欧州クラブが獲得に名乗りを上げた。中でも、いち早く正式オファーを出したチェルシーは5年契約を提示。武藤自身も当初はプレミアリーグの名門からのラブコールに心は大きく揺れたという。ただ、世界各国のスターがそろうチェルシーで定位置を奪うのは容易ではない。18年W杯ロシア大会を見据え、試合に出られることを最優先に考えていたため、チェルシーのオファーは断っていた。

 そうした中、日本代表のハリルホジッチ監督もマインツ移籍に“同調”した。代表メンバーの選考に関し「所属クラブで試合に出場していること」を重要なポイントに挙げている同監督は、12日からの国内組による日本代表候補合宿(千葉県内)の前に武藤の移籍についても言及。「チェルシーがどのようなオファーをしたか知りませんが、もし向上したいのであれば(チェルシー以外に)欧州でプレーできるクラブを探すべきですね」と話した。

 マインツは今夏に移籍する可能性がある岡崎の去就に関係なく武藤獲得を強く希望しているだけに、新天地でも定位置を確保する可能性は高い。堅守速攻のスタイルもFC東京と似ており、すぐになじめるとみられる。移籍先としてはまさに理想的なクラブと言える。

 移籍決定は時間の問題となってきたが、武藤本人は「FC東京のタイトルに貢献したい」とまずはJ1ファーストステージ優勝へ向けて全力を注ぐ構え。プロ2年目で日本サッカー界の宝と言える存在にまで成長したFC東京のエースは、優勝を置き土産に、ドイツ経由でロシアを目指すことになる。

 ▽1.FSVマインツ05 1905年、ドイツ中西部のマインツを本拠に創設。2003~04年に2部3位となり、創設100年目の翌シーズンに初めて1部昇格。その後2部に降格したが、08~09年に2部2位で1部に再昇格してからは1部に定着。開幕7連勝した10~11年には過去最高の5位と躍進し、11~12年欧州リーグ出場(3次予選敗退)。13年から日本代表FW岡崎も所属している。主なタイトルはなし。ホームスタジアムはコファス・アレナ(3万4000人収容)。マルティン・シュミット監督。

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2015年5月12日のニュース